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第三回 ~飛騨・神岡 短歌コンクール~

女神へ贈るラブレター

入賞作品

第三回ご応募数

一般の部:522人 1998首 

高校生以下の部:1116人 1980首

合計 1638人 3978首

《一般の部》

最優秀賞

君の背に「好き」と指文字書いてからこの指先は心を持った

木内美由紀(兵庫県川西市)

優秀賞

手のひらを合わせてはかる大きさを二人で抱ける空の広さを

石村まい(京都府京都市)

 

審査員特別賞

だいじょうぶ何があっても起き上がるぼくがあなたを支えてあげる

尾朝徹(東京都北区)

 

これ一つあればと買ったパーカーが自分以外を包んでほしい

おいしいピーマン(東京都板橋区)

 

これからはスマホでメールお互いに立(たち)っぱなしで疲れてしまう

池野光博(岐阜県飛騨市)

目が合って目を逸らされて終わる恋笑って泣いてマスクをします

日比野則幸(岐阜県可児市)

 

佳作

自由の国の君を見むとて座禅解き立ち達磨とぞ人の言ひける

miuro(東京都世田谷区)

気まぐれな空が君の髪に落とす水のようなキスに嫉妬してる

平久保好一(東京都杉並区)

たいまつの炎揺れたら振り向いて風を味方に会いに行くから

由宇(東京都八王子市)

二番線ホームで君は泣いていた映画のラストシーンのように

槙あやめ(東京都八王子市)

君の名のかたちの傷が胸にあり花火の夜にきらきら痛む

原野美優(神奈川県相模原市)

振り向けば年下だけど頼もしいオレがいるぞと神岡に立つ

神の里(栃木県宇都宮市)

長身で無邪気なきみの言葉から流星群となる月曜日

星野珠青(千葉県千葉市)

星空の北斗七星チョイと借り君を掬って傍に置きたい

岡野みつる(富山県高岡市)

コロナカデアイニハイケヌイツマデモオモイカワラズ タチダルマヨリ

江尻恵子(岐阜県飛騨市)

笹舟を折ってしまえばあなたへと溺れてゆきぬ夢のなかでも

吉村奈美(愛知県名古屋市)

雨の日も値引シールのスイーツも君とだったらきっとどれほど

巽麻結(愛知県東海市)

受け取って僕の心のニュートリノ宇宙(そら)のものより少し重いけど

ひよこのとさか(奈良県生駒市)

とりあえず何でもいいから話せってモニター越しに言われていそう

長谷川琳(岡山県岡山市)

わたくしはもうどの位遣唐使あなたに送ってきたことだろう

堀眞希(広島県広島市)

スキヤキを食べさせたいんだ、ひたすらに海を見つめてたたずむ君に

三吉誠(福岡県福岡市)

飛騨市長特別賞

伝えたいこの海越えて遠くまで自粛できない君への想い

すす(広島県廿日市市)

神岡実希特別賞

はちみつが溶ける速度で恋に落ち、あゝ解像度上がる世界よ

大久保遊花(東京都豊島区)

実行委員長特別賞

銭貯めてネーミングライツ買い取って俺の名字に変えてやりたい

ゴーヤベイベー(愛知県豊川市)

婆サマの胸ときめかす爺サマの目乙女の頃と変わらぬ鼓動

林洋子(兵庫県西宮市)

手も足も出せぬが君へ熱視線今の片目はやがて両目に

案山子(愛媛県東温市)

《高校生以下の部》

 

最優秀賞

帰り際君が振る手の左手がとてもさみしいまた会いたいな

木下夢(長崎日本大学学園高等学校)

 

優秀賞

僕たちはただの石だと思ってた僕の心に火がつくまでは

宇佐美流華(長崎日本大学学園高等学校)

 

 

審査員特別賞

遠い君いくら想って過ごしても追いつかないよ季節のようで

はるか(神奈川県立秦野総合高等学校)

僕の目に美しい髪たなびいて手に触れるのは春の風かな

清水彩花(常総学院高等学校)

励ましの言葉を告げてしばらくは私の胸の火になるあなた

酒井拓夢(静岡県立浜松湖東高等学校)

 

今年こそ花火大会誘いたいなのに花火は上がらなかった

杉山梨紗(岐阜県立多治見高等学校)

 

佳作

なんとなく「好き」がリアルにならなくてコインの多い財布が重い

坂崎座美(立教池袋高等学校)

 

悪くない1席空けた映画館前回よりはあらすじわかる

大空(富山県立魚津高等学校)

 

あなたからの「ぺこり」のラインスタンプになんて返すか悩む夜は長い

中屋朝陽(石川県立金沢泉丘高等学校)

 

きみの昼こちらの昼とちくはぐで「月がきれい」と独りつぶやく

堀妃里(飛騨市立神岡中学校)

 

ぶくぶくと魚のいない金魚鉢あなたを思うと世界がゆがむ

倉家悠里(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

 

「これあげる」彼女がくれた飴玉は夕日よりなお光って見えた

田宮鈴音(岐阜県立吉城高等学校)

 

いつの日か君と会う日を夢に見てハローハローと練習をする

中林一葉(岐阜県立吉城高等学校)

 

つないだ手静寂さへもいとほしいほら今日もまた天使が通る

新田夢奈(瑞浪市立瑞浪南中学校)

 

ろう下出て思い通りに話せないキンモクセイを思い出す僕

中山晴暉(瑞浪市立瑞浪南中学校)

 

海のむこうたくさんの灯(ひ)のあのひとつ君のものかと思いを馳せる

小松莉子(岐阜県立多治見高等学校)

 

好きな子を見つめて終わる夏でしたおでこのニキビすこし潰した

水野結雅(名古屋市立守山中学校)

 

貴方のこと風のうわさで聞きました恋するだるま相手は私

新美文那(愛知県立犬山高等学校)

 

あなたとの電話で声が響く部屋かすれた声が私を包む

山本蒼(神戸市立六甲アイランド高等学校)

 

永遠はないと分かっているけれど『好き』の副詞として使わせて

海田白紙(山口県立長府高等学校)

 

キーボード「さ」を三回「か」を二回打っては消して勇気が出ずに

岡本湧月(長崎日本大学学園高等学校)

飛騨市長特別賞

きみに言う「教科書貸して」のひとことがまるで気持ちを伝えるみたく

萩原諒(山梨県立甲府西高等学校)

神岡実希特別賞

雪解けに庄川乱れ辺り満(み)す溢れるものは水だけでない

全亦倩(常総学院高等学校)

実行委員長特別賞

ピロリンと通知鳴ってスマホみる開いてがっくり牛久大仏

小松澤麻菜(常総学院高等学校)

 

ラブレター押しすぎず引きすぎずそういったのは君ではないか

水野航希(岐阜県立多治見高等学校)

 

部活後にきみから通知「お疲れ」とただ嬉しくて小さく跳んだ

前田有貴(神戸市立六甲アイランド高等学校)

この度は、第3回飛騨・神岡短歌コンクール「女神へ贈るラブレター」にたくさんのご応募をいただき誠にありがとうございます。
今年は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、表彰式へのご招待は飛騨市内の方のみを対象とさせていただきます。
受賞者の皆さまには、大変申し訳ございませんが、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

TLSL実行委員長 帰家圭吾

《表彰式についてのご案内》

たくさんのご応募、ありがとうございました!
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