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第四回 ~飛騨・神岡 短歌コンクール~
女神へ贈るラブレター
入賞作品

第四回ご応募数

一般の部:378人 1403首 

高校生以下の部:1277人 2401首

合計 1655人 3804首

《一般の部》

最優秀賞

ベランダで実ったイチゴ一粒の希望を抱いてあなたを想う

ベンジャミン(兵庫県神戸市)

優秀賞

世界地図の紙飛行機をつくるとき僕とあなたの位置が重なる

高遠見上(大阪府高槻市)

審査員特別賞

「会いたい」の代わりに悲鳴をあげているおんぼろのチャリと坂道をゆく

芍薬(千葉県千葉市)

 

近寄れる距離縮めては「好き」と言う夏の夕焼けだるまさんころんだ

くうれん(岐阜県加茂郡八百津町)

 

君の手に触れられる日がくるなんてフォークダンスは罪だと思う

たぬき(愛知県みよし市)

飛んでこい泳いでこいというのなら僕は鳥にも魚にもなれる

洒落(兵庫県三田市)

飛騨市長特別賞

大気中恋の粒子をかき集めあなたのもとへ届けてみたい

碑栗蛾(ヒクリガ)(三重県津市)

神岡実希特別賞

自分にも心があると知った日に心が裂けた恋の痛みに

スピカ(東京都港区)

実行委員長特別賞

ローソンのレジで小さく決意する「ピュレグミ食べる?」が今日の目標

早川沙織(愛知県稲沢市)

駆け寄ってバックハグから顎クイで唱えてやるさ南無阿弥陀仏

ゆうたんパパ(福岡県久留米市)

君とキスあんまり高い君の顔のぼる螺旋に目を回しつつ

中山憲雄(長崎県北松浦郡小値賀町)

にゅうよ~く賞

ちょっと好きくらいの時に言っとけばよかったもう見てるだけで嗚呼

遠藤玲奈(東京都文京区)

くしゃくしゃに丸めた恋を開いたらまだ灯ってた恋のみずいろ

キノウ(東京都練馬区)

子が巣立ち妻を名前でそっと呼ぶ新婚よりもぎこちなき夜

堀卓(千葉県松戸市)

リモートでデートしようよ女神さん神岡訛りの英語もグーやぜ

家越京子(岐阜県飛騨市)

ぼく達磨夢の世界で宇宙(そら)を飛び貴女の前にすっと立ちたい

加藤ひふみ(岐阜県飛騨市)

君にまた座ってほしい助手席にひざ掛けを置く十月の朝

林俊治(岐阜県関市)

目に見えぬ恋の粒子は地を抜けてカミオカンデで検出されり

ゴーヤベイベー(愛知県豊川市)

ニュートリノよく似ているねニューヨーク素通りせずに気付いて欲しい

ハガネ(東京都文京区)

好きですと遠い夜空につぶやいて伝わらなくてほっとしている

松本俊彦(京都府京都市)

七転び八起きるんだ九回目 十(自由)になれるよやってごらんよ

吉田里香(熊本県天草郡苓北町)

佳作

ミンティアを転がす舌が君のことなんと呼ぼうか決めあぐねてる

刹那(北海道札幌市)

掌(たなごころ)愛より深い愛情で飛騨路の風を包み届けん

夏(北海道千歳市)

君からの「既読」の文字は友達の「既読」となにか違う気がする

和田桜佳(北海道旭川市)

赤い衣を纏(まと)うこの身が花ならば 君のもとへと飛びて香らむ

案山子(山形県山形市)

こんなにも激しき恋は望まねど朱のもみぢ葉両手に包む

畠山みな子(宮城県仙台市)

世界一広い海原テーブルに君と向き合う告白のとき

岡崎佐紅(茨城県水戸市)

恋の丈思ひの丈の届かざる烽火(のろし)は夏の夜空を焦がす

松田早苗(茨城県つくば市)

海よりも深い心のマグマにはたったひとりの君だけが居る

小俣ふじ子(山梨県笛吹市)

「しあわせは小さいほうがあまい」って桃味のパピコ分けあいながら

五感(山梨県都留市)

「好きです」と小さく言ってよいですか貴方を想う修行の果てに

松下弘美(埼玉県東松山市)

星がちるちるちるみちる夜がみちる 湯船できみの顔を浮かべる

有村奈都(東京都世田谷区)

ビルトモアの時計の下でP・M2時に後はパークで木馬に乗ろう

照井登紀子(東京都大田区)

ニュートリノ、花火、雪、星、雲、風も、すべて使って好きと言いたい

岡本千晶(東京都文京区)

巣ごもりでコロナ太りのぼくだけどどうか近くに置いてください

のんちゃん(東京都町田市)

虹彩(アイリス)は花と女神の名を持ちて人の窓なる瞳をつくる

智克くんのお父さん(東京都国分寺市)

恋文を春一番の風に乗せ君の心のポストに入れる

夢追い人(千葉県市川市)

君笑いつられて僕も笑いだす太平洋の海鳴りみたい

やーくん(神奈川県小田原市)

ふり向くと北アルプスが白くなりあたたかい手が恋しくなるね

中村千穂(岐阜県飛騨市)

片想い ギネス記録は あきらめた 「I love you」と 伝えに行くから

山本幸(岐阜県大垣市)

ハロー声届いてますか?海風が攫(さら)ってくれるように叫んだ

吉村奈美(愛知県名古屋市)

体温は人それぞれと知った日は酸素が少し薄い日だった

坂元啓太(愛知県稲沢市)

降るたびに あ と言葉を投げ掛ける あいしてるって星は知らない

佐藤マル(愛知県知多郡武豊町)

いつの間にか多治川くんのファンクラブ副会長になってしまった

多治川紀子(大阪府大阪市)

このひろい世界で似合う傘がないことをあなたと笑い合いたい

toron*(大阪府大阪市)

なけなしの誠意で満たすてのひらの皮の厚みで鉄扉を開ける

涸れ井戸(滋賀県高島市)

渡り鳥飛び去りし後に夜は更けて静かに過ごすふたりの時間

今北渚(兵庫県宝塚市)

聖火リレートーチを持った君がいるエッフェル塔の前で会いたい

Thune(福岡県糸島市)

君が持つリバティの本ひと目見て禅の教えとカップルにする

君・白・魅(福岡県飯塚市)

障害を得し吾(あ)を支え二十年強き君こそ女神なりけれ

東家芳寛(佐賀県佐賀市)

ペン廻すしなやかな手や俯いた睫毛すべてに触れたいわたし

吉田紫紅(大分県別府市)

《高校生以下の部》

 

最優秀賞

マスクつけ雰囲気違う僕のこと笑わずずっと見つめてほしい

霜出武琉(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

優秀賞

夏休み花火をしていたなつのよる生きてることも忘れたようだ

鈴木稜太郎(愛知県立愛西工科高等学校)

審査員特別賞

星空の一等星をつかみとり君の元へとかけていきたい

中村颯稀(飛騨市立古川西小学校)

雨やどり傘をかしげる君の顔互いの服の色が濃くなる

山下若菜(岐阜県立大垣桜高等学校)

心電図みたいに動く感情を抱いてあなたの海に揺られる

渡邉美愛(静愛知県立旭丘高等学校)

 

この林檎あなたを思い色づいたどれだけ紅くなればいいのか

早崎苺亜(愛知県立豊橋西高等学校)

飛騨市長特別賞

真っ暗で降る雪積もる我が心それをとかすは君の松明

髙澤茉佑(静岡市立清水第二中学校)

神岡実希特別賞

この世など 全て許せる そう思う 君さえいれば 君だけいれば

チャリダー(静岡県立科学技術高等学校)

実行委員長特別賞

左手に半分こしたアイスたれ思ったよりもしょっぱかったな

城間すずか(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

 

話題ある時間もあるし好意ありないのは勇気相手の気持ち

石原奏(愛知県立小牧高等学校)

 

おとしもの拾った瞬間恋におちライン交換拒否られる

山下礼善(愛知県立愛西工科高等学校)

にゅうよ~く賞

ぼくは待つ君が振り向くその時を夜空を見上げ星に願いを

沖村渚(飛騨市立古川中学校)

片思いカッコイイから好きでした今では君が君だから好き

笹部 柚月(須磨学園中学校)

「待ったかな」ごめんと二人頭下げ予定時間の十五分前

小林桃子(下関市立豊北中学校)

私から別れを告げた彼からの返事はたった3文字「そっか」

宮下真央(武蔵野大学附属千代田高等学院)

ふんわりと鼻先くすぐるいい香り思い出すたび少し切ない

日置咲綺(岐阜県立郡上北高等学校)

メガネ拭き拭いた直後の綺麗さはあの日あなたと見た景色のよう

駒田楓真(愛知県立小牧高等学校)

君に似た一等星に願う夜君に名前を呼ばれたくって

齋藤花央梨(愛知県立幸田高等学校)

夏祭り花火が上がるその時に恋が始まる花が咲いたよ

寺西晄司(愛知県立稲沢東高等学校)

夏の海君とみていた水平線今では一人夕日が落ちる

木村友百樹(愛知県立愛西工科高等学校)

消しゴムのケースをはずし君の名をおまじないだと分かってるのに

松折実乃果(神戸市立六甲アイランド高等学校)

佳作

キラキラとまぶしい光さしこんだ何かと見たら君がいたんだ

仲表ありす(飛騨市立神岡中学校)

世界では文化が一緒じゃないけれどあなたとやりたい線香花火

山下愛織(飛騨市立古川中学校)

がんばって「好き」って手話を覚えても伝えられずに心の中へ

小木曽柑菜(瑞浪市立瑞浪南中学校)

 

きもだめし一人の女子が泣いていた見つけた男子手をとっていく

尾関紗和(瑞浪市立瑞浪南中学校)

 

どんぐりを犬とふみ出すその道で僕らは1つまた成長した

纐纈瑛音(加茂郡川辺町立川辺中学校)

 

夏祭りやわらかな手をにぎりしめ相手も同じ恋への一歩

加藤航貴(加茂郡川辺町立川辺中学校)

 

雪が舞うダウンジャケット身にまとい隣にいるのは未来の恋人

川崎愛心(加茂郡川辺町立川辺中学校)

 

冬の夜手袋している君がいたその手をにぎるの誰の手だろう

中村秀悟(加茂郡川辺町立川辺中学校)

 

べっと出たブルーハワイな舌だけで今宵が青く染まり始めた

浪花小槙(都立豊多摩高等学校)

 

見続けた寂しくたたずむ君の背を今度は僕が笑わせるから

正木亜実(武蔵野大学附属千代田高等学院)

 

ふと見上ぐ空の上には流星群まるであなたが傍にいるようで

中島咲音(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

 

春だねとはにかむ君の横顔は桜花(おうか)より尚綺麗だと思う

堀妃里(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

 

雲過ぎて晴れたる空に影送りあなたをおもう自分と知っても

木元瞭(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

 

カーテンのもれる光の温もりに二人の寝顔に幸せうかぶ

神出沙月(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

 

短冊にあえて綴らぬこの想い星の下(もと)にて指を絡める

稲垣圭伸(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

「好き・嫌い」だけど最後は「好き」にする花占いに想いを込めて

小萱陽琉(岐阜県立吉城高等学校)

身の丈のなりたいものとなれるものその差し引きが憧れとなる

小坂哲太(岐阜県立吉城高等学校)

離れても気持ちかわらず地平線見守り好きな仲間同士だ

太田悠翔(岐阜県立大垣桜高等学校)

川沿いの道の自転車通学で君を見つけてスピード上げる

澤田友希(岐岐阜県立大垣桜高等学校)

電話でのいつもどおりの君の声聞いているたび心がいたむ

須賀竜二(愛知県立稲沢東高等学校)

きみがぼくぼくがきみでいれたならきみのひとみでかがやくのにな

近藤知里(愛知県立小牧高等学校)

点決まり喜ぶ君を遠目見て私のサーブは取られもしない

桜井柚衣奈(愛知県立小牧高等学校)

帰り際君に伸ばした左手は触れることなく宙に漂う

匿名希望(愛知県立小牧高等学校)

春の朝あなたと会える一日は桜のように散っていくんだ

三品和哉(愛知県立愛西工科高等学校)

窓の外降る初雪に寒いねとあなたにメール打ちたくなった

中野柊哉(愛知県立愛西工科高等学校)

空にとぶ紙飛行機がラブレター僕の心は宇宙までとぶ

松川侑楽(愛知県立愛西工科高等学校)

十六夜の低きに朱(あか)く光りしを見んとす君の足に浮く筋

中山澄怜(愛知県立時習館高等学校)

ポテサラに対して「好き」と言えるのに君に言えないのはなぜだろう

辻風文尊(奈良県立国際高等学校)

風吹かれ靡く黒髪ゆらゆらと揺れる陽炎想いとともに

山田萌乃(長崎県立長崎東高等学校)

目が合って耳まで真っ赤にした君がくしゃっと笑った月曜の朝

中川亜美(長崎県立長崎東高等学校)

※「◯◯特別賞」は各担当者が、「にゅうよ〜く賞」は当実行委員が選考いたしました
たくさんのご応募、ありがとうございました!
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