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第六回 ~飛騨・神岡 短歌コンクール~
女神へ贈るラブレター
入賞作品

第六回ご応募数

一般の部:520人 2334首 

高校生以下の部:1594人 3307首

合計 2114人 5641首

《一般の部》

最優秀賞

本当に遠くを見ていた立ち達磨の下(した)で二つの日傘をたたむ

おいしいピーマン(東京都板橋区)

優秀賞

はじめてのサーフィン恋はダサければダサいほどいい海をこなせ

宮田の目にも涙(宮崎県宮崎市)

審査員特別賞

遠くからあなたに呼び名を変えられて耳から満ちる春の足音

平久保 好一(東京都杉並区)

 

どの月が君に響くかわからずにできる限りの夜を集めた

小金森 まき(千葉県千葉市)

 

放課後に互いに髪を結いあってまだあかるさを残した窓辺

山本 栞(山梨県都留市)

握手する手と手の間あたたかくさびしき闇が生まれて消えつ

早坂 尚輝(神奈川県横浜市)

飛騨市長特別賞

袈裟の色ただ待ちわびた年月が緑青(ろくしょう)の色さらに濃くして

神谷 和子(岐阜県岐阜市)

実行委員長特別賞

初恋の孫のメールにジジとババ膝を乗り出しああだこうだと

レオナルド虎魚(東京都八王子市)

片想い 人より余計に カタカタと キーボード打つ 労力が過多

だいちゃんZ!(大阪府堺市)

「叶えたいわけじゃなくって」、この恋は鮮やかなまま腐臭を放つ

猫(沖縄県中頭郡西原町)

にゅうよ~く賞

女神さま美味しい飛騨牛いかがです?命綱つけあなたのお口へ

青星ふみる(岩手県一関市)
 

 

からみつく木の根足裏下を向くおもいのせいだ空は高くて

淡井美夜子(群馬県安中市)


 

お終いに書き出してみる好きなとこ海を見ていた広すぎる肩

モノクル(東京都練馬区)


 

この恋が我が人生のハイライト覚悟を決めて君の名を呼ぶ

藤野麦(東京都八丈島)


 

数学のノートの端に差した傘紙の上だけ2人並ぶ

きしたろ(埼玉県比企郡吉見町)


 

俯いたままのヒマワリ夏終わるまるで私だ私の恋だ

日比野 則幸(岐阜県可児市)


 

満月の日の星ひとつ引き出しに閉まっているから君はやさしい

臼田 芽衣(岐阜県大垣市)


 

書き出しで止まった手紙、注釈がついたみたいな夏が終わった

西川こまゆ(大阪府大阪市)


 

届いたでしょうかすべての国めぐる月に託した恋のことづて

狩野 美優(鳥取県倉吉市)


 

クワガタのしがみつく木に未練見え慈悲なく剥がす我に照らして

イワンモ(香川県綾歌郡宇多津町)

佳作

クッキーを焼いた数だけ君のこと想ったかもね全てが甘い


田桜佳(北海道旭川市)


触れるほどに私のものにはならなくて小田急線に置いてきた傘


増渕 絵理(宮城県仙台市)


メロンパンふたりで食べる公園のスズランの花このままがいい


青い鳥(福島県福島市)


ぐっと手を伸ばせば君に届くはず牽牛となる星を集めて


稲山 博司(東京都練馬区)


転生し氷でできた惑星になってもきみを見つめているよ


汐澤倫寧(東京都板橋区)


冬になればまた適当な雪玉を投げにこの町まで来てほしい


城下シロソウスキー(東京都中野区)


チョコレートは冬に似合うね雪深い飛騨に似合うね君にも似合う


佐々木奈瑠(東京都国分寺市)


星の降る綺麗な空を見上げてもまぶたを閉じて君に会いたい


朝路千景(東京都国分寺市)


口笛を吹くこの息が松明の灯(あかり)を消して気付けばいいのに


高野 莉奈(千葉県君津市)


まちがへてしまつたはずの道にゐて海がきれいだ あなたが好きだ


宮本背水(埼玉県上尾市)


恋文はAIにでも書けるけど俺の気持ちは俺が告るぜ


桑野 豊(埼玉県坂戸市)


観覧車一周まわって景色見た何か言えよと目でツッコまれ


深澤 健(埼玉県川口市)


可能性と惰性の中に流星を見つけた きみが振りかえるとき


松澤 海飛(山梨県都留市)


彼と棲み季節とともにうつりゆくインフルエンザ方言あくび


杉山悠香(埼玉県羽生市)


君の目は上から数えて五番目で虹にあなたの姿を見たよ


ながしまけんた(新潟県燕市)


夏空に泰山木の白き花木綿のシャツの軽き君ゆく


穂苅 真泉(長野県安曇野市)


雨上がり人差し指で穴をあけヒマワリの種きみと植えたり


矢口 恵子(長野県松本市)


一万キロつかず離れぬ距離だから僕は君から自由になれぬ


川野小春(岐阜県岐阜市)


西窓のいつも見ていた立ち達磨見つめる先が女神と知らず


水谷 聡(岐阜県高山市)


揺らしたと君は気づいていないけどスノードームの風が止まない


前川 泰信(岐阜県可児市)


ひとりでもスワンボートに乗ってたねそんな貴方を岸辺で見てた


日比野 則幸(岐阜県可児市)


パリ生まれニューヨーカーの君と食(は)む飛騨の「みだらし」お代りいかが


西尾 嘉浩(岐阜県中津川市)


リバティーと叫んだ僕の心臓は恋の粒子ではちきれそうだ


さるすべり(三重県名張市)


くらげには心臓がない私たちたくさん抱えてばかみたいだね


ひろみ(京都府京都市)


手に余る子供のような吾を支え七十五歳の中秋の月


北条 暦(京都府京都市)


夕焼けの粲然ふたり浴びていたことが火傷で残るといいね


森松まりも(奈良県大和郡山市)


遠くから祭の音がするくせに会いたい人が遠いのでした


姿煮(大阪府堺市)


軽やかに 髪をかき上げ 行く君に 心のひだが 甘く震える


まもる(大阪府八尾市)


視線とはたしかに線で逆光の港にわれを待っているひと


石村まい(兵庫県加古川市)


お土産の小さな紙箱捨てきれず静かな部屋で星積もりゆく


藤原 史歩(大分県国東市)

 キープ・サーフィン

《高校生以下の部》

 

最優秀賞

手に惑星飼ってますよね?引力に惹かれる僕と手を繋いでよ

藤浪 あい(北海道釧路江南高等学校)

優秀賞

女神さん君が持つそのたいまつに小さくなって乗っていいかな

浅井 桃香(和歌山県立田辺中学校)

審査員特別賞

やまこえてはるかむこうのあの町にほんとうのことつたえてわらう

曽祢 彩羽 (飛騨市立神岡小)
 

秋の空二人ではなす帰り道もみじに染まる自分に気づく

川島 梨乃 (川崎市立中野島中学校)


7人の集合写真を2人にされた消しゴムマジック私とあなた

松原 優和(川崎市立中野島中学校)


花かんむりいつもと違う王冠を身につけた君見てみたいなと

野田 美樹葉(岐阜県加茂郡川辺町立川辺中学校)

飛騨市長特別賞

後ろから金木犀の花束をそっと近づけ振り向かせたい

加藤 安祐実(瑞穂市立穂積中学校)

実行委員長特別賞

私がずっと見守っているあの人がストーカーに遭っているらしい

馬上 まな (川崎市立中野島中学校)


祖父語る祖母との出会いバスの中初恋だったと口元ゆるませ

村瀬 早紀 (岐阜県加茂郡川辺町立川辺中学校)


年間にプレートにのって6センチ近づいてくる初恋の人

淵上 なつき (福岡大学附属大濠高等学校)

にゅうよ~く賞

雪が降るまわりは白くなるけれど見つけるからね君を絶対

岡田 凛香 (飛騨市立神岡中学校)


 

君の背は僕より高く輝いて振りむいてくれ米(べい)の女神よ

谷口 瑠海 (飛騨市立神岡中学校)


 

遥か先水平線の向こう側見えない君を見つめ続ける

井元 栞 (和歌山県立田辺中学校)
 

 

失敗に失敗を重ねまた失敗十五の恋の道のり険し

三宅 海斗 (玄海みらい学園)
 

 

熱帯夜何もできずにただ垂れる無意識的な妄想と汗

櫻井 翠月 (常総学院高等学校)
 

 

春風にどこまでも舞う桜見て届けと願う僕の花びら

関 健佑 (常総学院高等学校)
 

飛騨の空達磨の声を響かせろ高嶺の花の自由な君へ

池上 流季弥 (長野県上伊那農業高等学校)
 

 

気がつけば視界の隅にいりびたる私の中身は八割アナタ

濱本 小羽 (岐阜県立飛騨神岡高等学校)
 

 

十月の高原川に身を委ね会いに行きたい私の心

中島 咲音 (岐阜県立飛騨神岡高等学校)
 

 

雨が好き肩を寄せ合う傘ひとつ残念だけど梅雨明け近し

加藤 義隆 (愛知県立愛西工科高等学校)

佳作

そらのいろいろんないろにそまってくわたしのこころもそめられていく

柿下 雪 (飛騨市立神岡小学校)


 

片思い不動の像も心中(しんちゅう)はいっつもずっと騒しいまま

徳永 彩菜 (飛騨市立神岡小学校)


 

昼休み君に気持ちが言えなくて風に乗っても届きやしない

旦野 翔真 (川崎市立中野島中学校)


 

君に似てた。だけど君じゃなくて、心がぎゅって傷つく音がした。

渡邊 唯 (川崎市立中野島中学校)


 

いつまでも私の春は続くから続いてほしいあなたの春も

中谷 佳暖 (飛騨市立古川中学校)


 

放課後に君の下駄箱の前に立つ一枚の紙思いよ届け

渡邊 陽文 (飛騨市立古川中学校)


 

あこがれは空をはばたく白い鳥すぐにあなたに会いにいきたい

中川 実紀 (飛騨市立古川中学校)


 

ラムネ瓶中のビー玉君みたいそこにあるのに手が届かない

柚原 天音(飛騨市立古川中学校)


 

手つなごう勇気を出して言ったのに蛙化されて振られたよゲコ

橋渡 琥珀 (飛騨市立古川中学校)


 

田舎やで不便なこともあるけれど2人でいれば山もなくなる

あたまがああああ (飛騨市立古川中学校)


 

せみしぐれ音鳴る場所は何処からか私の心静まれ鼓動

矢野 明純美 (瑞穂市立穂積中学校)


 

太平洋消えれば君はそこにいる九千キロの旅路はどこへ

広瀬 諒 (瑞穂市立穂積中学校)


 

雨の日はあなたと二人傘の下わざと忘れる私の美学

勝 うたね (瑞浪市立瑞浪南中学校)


 

電話越し耳元触れる好きな声あなたは知らない頬の熱さを

鰐部 めい美 (瑞浪市立瑞浪南中学校)


 

夏の日に早く食べたいアイスクリームアイスる熱で溶けてしまった

馬場 岳空 (岐阜県加茂郡川辺町立川辺中学校)


 

同じペンずっと使うと傷増えるそれに伴い愛も増えてく

田口 凱也 (岐阜県加茂郡川辺町立川辺中学校)


 

川沿いの道の自転車通学で君を見つけてスピード上げる

加藤 颯真 (岐阜県加茂郡川辺町立川辺中学校)


 

目が合っていたはずなのに、振った手の先はくしゃりとまるまっていく

となりのとろろ (高田中学校)


 

雪の夜ベランダに出たら君がいてまるで天使が舞い降りたよう

福島 桜音 (岡山理科大学附属中学校)


 

朝霧に溶けゆく汽車を見過ごして今日はあなたと同じ時間を

長谷川 葉 (北海道旭川東高等学校)


 

エアコンも地球もともに適温に大好きな君沈まぬように

廣瀬 健伸 (常総学院高等学校)


 

線路にも勝手に積もる雪があり恋慕に足をとらわれている

浪花 小槙 (都立豊多摩高等学校)


 

君は毎日「彼女欲しい」と嘆いてる私はこれが青春なのに

橘雪 (明治大学付属明治高等学校)


 

酢酸の香り漂う生物室ふたりでのぞいたミジンコ図鑑

涼香 (神奈川県立川和高等学校)


 

ポタージュの隅に残った一粒を掬うと浮かぶ君の横顔

荻原 由紗 (松商学園高等学校)


 

勇気出し思い伝える放課後のうるさい蝉が鼓動をごまかす

渡辺 夏帆 (岐阜県立吉城高等学校)


 

一目惚れ電車の中で君を見て電車のように揺れてる気持ち

圓藤 優空 (愛知県立愛西工科高等学校)


 

沈黙を破るボールが転がって来たから僕ら明後日を見る

尾島 蓮瑛 (立命館高等学校)


 

息継ぎをミスしたらもう戻れない肺を分け合う二人の恋は

木下 瑠菜 (神戸市立神港橘高等学校)


 

寒暁(かんぎょう)の生まれたままのこの世界抱いて貴方と白息(しらいき)を吐こう

金子 美琴 (福岡大学附属大濠高等学校)

※「◯◯特別賞」は各担当者が、「にゅうよ〜く賞」は当実行委員が選考いたしました
たくさんのご応募、ありがとうございました!
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