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第五回 ~飛騨・神岡 短歌コンクール~
女神へ贈るラブレター
入賞作品

第五回ご応募数

一般の部:371人 1699首 

高校生以下の部:877人 2000首

合計 1248人 3699首

《一般の部》

最優秀賞

巻貝に耳を当てたらよく聞いてさざ波の中きみを呼ぶから

狩野 美優(鳥取県倉吉市)

優秀賞

friendのendの部分ゆびさきで触れる、見つめる、好きと伝える

池内 早尽(東京都大田区)

審査員特別賞

逢いたいで締める葉書の余白から冬の始まる予感がしてる

桜望子(山形県鶴岡市)

 

まっすぐに進む光も曲げてやる女神の姿見るためになら

木村 浩(埼玉県春日部市)

 

飛騨牛のディナーの後はニューヨークチーズケーキを君と食(は)みたし

西尾 嘉浩(岐阜県中津川市)

もし君が彼女になった特典はガッタンゴーで恋のタンデム

ゆうたんパパ(福岡県久留米市)

飛騨市長特別賞

好き過ぎて上限欲しい恋容量耐えられないよこぼれるなんて

ともたん(兵庫県西宮市)

実行委員長特別賞

初めてのデートの証拠を吸い込んだ改札機をまだ許していない

若石 華芽(北海道旭川市)

「甲子園に連れて行くからつきあって」応援団の彼に言われた

泰源(埼玉県川口市)

失恋でバツンと切った黒髪に「よく似合う」だと?うるせーよバカ

あさり(大阪府大阪市)

にゅうよ~く賞

首元にぼんやり咲いた赤い薔薇 水やり係尋ねないまま

春秋 朧 (秋田県秋田市)


 

こんなにも後姿に惹かれると目が合う時はめちゃくちゃ怖い

青林采里(埼玉県ふじみ野市)

 

 

いつもデートのイントロは君が着るTシャツの柄褒めるとこから

坂崎座美(東京都品川区)

鈍感で無知なわたしは口ほどに物言うという瞳を知らぬ

河合麻衣(東京都世田谷区)


 

月が綺麗ですねと月にメッセージ 13時間後あなたへ届け

山田 拓人(千葉県千葉市)
 

弁当の四角い箱にぎゅうぎゅうと詰め込む愛は冷めないままで

未瑛(神奈川県大和市)
 

宅急便桃みかん梨保冷剤ラブレターだけ入れ忘れて

放蕩小娘(神奈川県川崎市)

 


女神さん神岡名所「ガッタンゴー」二人仲良く乗ってみたいな

池野 光博(岐阜県飛騨市)


リバティのほほえみひとつうれしくて走り出したよ観音山を

吉田紫紅(大分県別府市)

 

 

この小石足でケトバシ君のもの地球の裏へ恋の流星

君・白・魅(福岡県飯塚市)

佳作

足元にずっと咲いてた一輪の白いアネモネ君で良かった

桜井瑠梨(宮城県塩竃市)
 

顎クイも壁ドンさえも夢の夢せめて目力キュンをひきだす

コタラフ(茨城県水戸市)
 

神岡の風がすくひし花びらに姿をかくすシャイな達磨よ

遠藤 幸子(群馬県高崎市)

高原川をクジラボートで川下り目指そうきみをその篝火を

出店(群馬県佐波郡玉村町)

 

ちょうだいと君が言うならくれてやる ショートケーキの苺も未来も

くるみ(埼玉県さいたま市)

それは恋心が変になることをおそれず好きな人抱きしめる

ファブリ(埼玉県上尾市)
 

夕空に 君への想いが 溶け出して 優しいピンクの 雲が浮かんだ

シャインマスカット(埼玉県新座市)

 


手でなぞる曇りガラスの向こうがわ雨の世界にあなたを置いて

キノウ(東京都練馬区)


温室で寝てるかどうかもわからないワニの瞳が君に似ている

山田 桃(東京都練馬区)
 


灯(ひ)によりて薄羽蜻蛉(うすばかげろう)はかなさの中のあかきに強き恋あり

岡本 千晶(東京都文京区)


東にはあなたの故郷(こきょう)フランスが 西にあなたを想う達磨が

智克くんのお父さん(東京都国分寺市)


夜の空 星の明かりに 紛れ込む 端のひとつは キミの篝火(かがりび)

芝楽みちなり(神奈川県横浜市)


運命の人に出逢える確率を変えてみたくてサイコロをふる

上 愛理(岐阜県飛騨市)

 

この鼓動君に聞こえてしまわぬか少し離れて星座を探す

江尻 恵子(岐阜県飛騨市)


 

北極を棒が貫くリンゴ飴あと一齧り女神に近づく

小林 伸子(岐阜県高山市)


 

地球儀に君のゐる街みつけたり距離はたったの親指と小指

打保 洋子(岐阜県高山市)


 

僕に降る雨が巡っていつの日か君を濡らしてしまう幸せ

結城紫央(岐阜県岐阜市)


 

松明をハンディファンに替えたなら女神よきっと夏も快適

西尾 房子(岐阜県中津川市)


 

やや耳の遠き妻との語らいは声の高まり自ずと元気

遊泉(愛知県名古屋市)


 

つぶやけば動き始めてしまうからこころの底に沈ませた亀

吉村 奈美(愛知県名古屋市)


 

たいまつが消えないように見てるから夜のあいだは少しお眠り

遠藤翠(愛知県稲沢市)
 

 

たんぽぽの綿毛のように飛び立って君の隣りで花になりたい

さとマル(愛知県知多郡武豊町)


 

「だるまさんがころんだ」君に僕の名を呼んで欲しくてわざと転んだ

加藤 佐緒理(愛知県岡崎市)


 

寂しさの苦手な冬の先端が僕らをこづく 指を絡めた

塩本抄(石川県金沢市)


 

助手席で地図を開いてじゃれあった行き先なんてはじめからない

永野千尋(大阪府堺市)


寂しさをグッと飲み込み手を振った改札口は天の川かな

氷上桜(兵庫県宝塚市)


 

午前2時 月に託した ラブレター返事が来ない 時差のせいかな

にゃん太郎(島根県出雲市)

 

最近のぼくの暮らしはズレていてアクリル板越しにキスをする

紀田右介(熊本県熊本市)

 

この恋は君の隣でひじ掛けを使えずにいる映画みたいだ

溝口 のぞみ(鹿児島県奄美市)


太陽にきみはその眼を細めない きみも光でできているから

がねこ(沖縄県中頭郡西原町)

《高校生以下の部》

 

最優秀賞

半世紀あなたの炎をみつめてる雪がふっても心はぬくい

堀 妃里(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

優秀賞

たんぽぽの道をあなたとぽぽたんと踏んでゆくとき春風になる

渡邉 美愛(愛知県立旭丘高等学校)

審査員特別賞

橋の向こう美女が現れみとれてる橋がたおれる夢をみちゃった

町田 麗(加茂郡川辺町立川辺中学校)

 

絵葉書の代わりに君へ送るのは飛騨で一番大きなもみじ

小田 麻祐子(茨城県立水戸第一高等学校)

たいまつの炎の中にある景色そこは西国(さいこく)ギフのカミオカ

伊藤 尊(岩倉高等学校)

 

俺もっとでっかくなるよ君の国へはじめの一歩で辿り着くほど

平山石妹海

飛騨市長特別賞

夏祭り君が欲しいと言ったから射的でねらう一等賞

勝 桔平(瑞浪市立瑞浪南中学校)

実行委員長特別賞

君想い背中見続け半世紀そろそろ君に穴が空きそう

小坂 七彩(長野県上伊那農業高等学校)

 

もう5回そろそろ伝えられたかな第6回が来ませんように

村井 堅(岐阜県立飛騨神岡高等学校)

 

初恋もまだだと笑う君の声はて喜んで良いのだろうか

にしはる(松陰高等学校丸亀校)

にゅうよ~く賞

あの空に一番輝くあの星は心を燃やす君の左手

堀 寧姫(飛騨市立神岡中学校)

隣より後ろの席になりたくてまどろみの午後黒板と君

下山 小梅(白陵中学校)

 

1月のあたりを包む朝焼けに似ているあなたの世界がすきです

中込 結心(熊本市立東野中学校)

 

 

風がふき私の髪がゆれていくあなたを見ると心がゆれる

佐藤 加奈(専修大学北上高等学校)

 

 

春の日に桜混じりの風の中笑うあなたの心は何処(いずこ)へ

河野 剛大(山梨県立日川高等学校)

 

 

放課後に二人で歩く帰り道遥か遠くに家があればと

務台 紗(松商学園高等学校)

 

どれだけの季節が過ぎても変わらない私とあなたこの距離感

久保田 弘希(長野県上伊那農業高等学校)

 

 

ランニング好きでもないのにまた走るあのチューバの音を聞くために

児玉 幹太(愛知県立稲沢東高等学校)

 

 

あぁこれはキンモクセイの香りだ、とどうして君を思い出すのか

大本 茉弥(大阪桐蔭高等学校)

 

 

花を持ち野山を越えて丘に立つ手に持つ花を渡す人来ず

菊原 陽太(福岡大学附属大濠高等学校)

佳作

水泡(すいほう)と目が合い弾ける炭酸水貴方の私も消えてゆくかな

溝口 陽奈太(飛騨市立神岡中学校)

 

しもやけで手がじんわり痛む冬手のひらに一枚真っ赤な紅葉(もみじ)

丹羽 涼香(加茂郡川辺町立川辺中学校)
 


鐘の音(ね)と共に始まる淡い恋かすかな期待を春風に乗せ

木下 真心(加茂郡川辺町立川辺中学校)
 


つぎ会える曜日を確認カレンダー見えないはずの景色ひとマス

柘植 陽月(加茂郡川辺町立川辺中学校)
 


もう一度君の隣を歩きたいそんな願いが宙(そら)に浮かんだ

脇本 優羽(加茂郡川辺町立川辺中学校)

 

つなごうよ君と一緒に帰る時炎のような温かい手で

角田 翔(名古屋市立豊正中学校)

 


太陽は私をてらすそれなのにあなたのほうがずっとまぶしい

寺尾 佳恵(名古屋市立豊正中学校)


 

帰り道プレイリストが流れてる私の耳はあなたの耳よ

藤浪 有栖(名古屋市立豊正中学校)

 

空見上げ月がぽつんと置いてある君もこの月見ているのかな

渡邊 ほのか(専修大学北上高等学校)

 

ニューヨークでも見えるよう一等星だけを結んで作ったハート

小田 麻祐子(茨城県立水戸第一高等学校)
 

 

そばにいるだけで全てが満たされて今日も一日怠惰なわたし

渡邉 奈々(岩倉高等学校)
 

 

アールグレイやさしく香る水筒に思い出してるあの日の君を

𠮷野 愛織(松商学園高等学校)
 

 

この宇宙(そら)で貴女に会う事が出来るならともに乗ろうぞガッタンゴー

甲谷 悠人(岐阜県立飛騨神岡高等学校)


マスクまで赤く染まってしまいそうこれ以上目は合わせられない

倉家 るみ(岐阜県立吉城高等学校)

 

あ、ねぇみてマスクをピンクにしてみたの髪もね服もあのねあたしね、

大久保 菫玲(愛知県立犬山高等学校)

 

眠い目をこすり飛び乗る1号車覚えていてね私の青リュック

林 亜実(愛知県立犬山高等学校)

 

あなたに送るこのプレゼントどうしようあなたのようなかがやきを送る

髙野 優亜(愛知県立稲沢東高等学校)

 

「もう冬の匂いがするね」と言う君と群青色の夜にいること

吉川 大空斗(愛知県立稲沢東高等学校)

 

授業中恋の短歌を考える考えるほど君が浮かんだ

髙橋 清純(愛知県立稲沢東高等学校)

 

風船のように膨らむ初恋が会えなくなった今に割れそう

木原 佑輔(愛知県立幸田高等学校)

 

五月雨がぽつりぽつりと道濡らす私の恋路は濡らさないでよ

齋藤 花央梨(愛知県立幸田高等学校)

 

一歩目が無けりゃ転びやしないけどあなたへ駆けて右の目を塗る

稲垣 史奈(須磨学園高等学校)

 

みずからはながれを分かつ石なれど君への思ひ意志は変わらず

笹部 柚月(須磨学園高等学校)

 

大好きな君と写真を見比べるどちらも良いが現実が良い

村上 雄一(須磨学園高等学校)

 

体育祭一位の君とハイタッチ私の右手は洗えぬままで

田中 陽彩(須磨学園高等学校)

 

三年後あなたに会えて涙した音のない日を生きぬくように

内田 千裕(須磨学園高等学校)
 


教室の窓が切り取る一枚の写真のように君が笑った

青木 日向子(西宮市立西宮高校)

 

廊下から彼を見つめる親友にポピーの花を重ね合わせた

咲(鹿島朝日高等学校)

 

すきなのは汗かき照れてにせものの桃の香りを纏う君とか

滝 春子(熊本県立熊本高等学校)

 

約束を小指で切った私達ふぅって息が漏れてしまった

お茶(沖縄県立八重山商工高等学校)

※「◯◯特別賞」は各担当者が、「にゅうよ〜く賞」は当実行委員が選考いたしました
たくさんのご応募、ありがとうございました!
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